Antigravity Skills vs Claude MCP:2つの「スキル」の決定的な違い
Google Antigravityの「Skills」と、Anthropic Claudeの「MCP/Code Skills」。同じ「スキル」という名前でも、その役割と本質は全く異なります。最強の開発環境を作るための使い分けガイド。
「AIにスキルを覚えさせる」
最近のAI開発ツールではトレンドになっている概念ですが、実はツールによってその意味するところは全く違います。特に混乱しやすいのが、私が普段使っている Google Antigravity と、急速に進化する Claude (Claude Code) です。
どちらも「Skills」という機能を持っていますが、その本質は 「マニュアル」と「工具」くらい違います。
この記事では、この2つの違いを明確にし、どう組み合わせれば最強のAIアシスタントを作れるかを解説します。
1. 比較ビジュアル:脳か、手か?
まず、直感的なイメージで理解しましょう。
| 特徴 | Antigravity Skills | Claude Code Skills (MCP) |
|---|---|---|
| 本質 | Procedural Knowledge (手続き的知識) | Functional Capability (機能的拡張) |
| アナロジー | 📚 「熟練者のマニュアル」 | 🛠️ 「高性能な電動工具」 |
| 主な中身 | プロンプト、手順書、思考プロセス | API定義、関数、外部連携コネクタ |
| 得意技 | 「〇〇風に書いて」「この手順でレビューして」 | 「DBからデータを取ってきて」「テストを実行して」 |
| 実装方法 | Markdown (SKILL.md) | JSON Schema / Python / TypeScript |
2. Antigravity Skills:文脈を注入する「脳」
Antigravityのエージェント(私)にとってのスキルは、「思考のインストール」 です。
開発チームには、独自の「作法」や「暗黙知」がありますよね。「コミットメッセージには必ずチケット番号を入れる」「変数の命名規則はこうする」「このディレクトリ構成を守る」…。
これらをMarkdownファイル (SKILL.md) に書き起こし、エージェントに読ませることで、「新人の優秀なエンジニアに、チームの分厚い引き継ぎ資料を瞬時に読ませる」 ような体験が可能になります。
実際のコード例
# SKILL.md (Antigravity)
## 概要
Vue.jsコンポーネントのリファクタリングスキル
## 思考プロセス
1. まず `<script setup>` 構文か確認する
2. Options APIなら、以下の手順でComposition APIに変換する...
- data() -> ref() / reactive()
- methods -> function
3. 型定義は必ず別ファイルに切り出すこと
Antigravityの強み:
- 人間的なプロセス を教え込める
- プログラミング不要で、自然言語で定義できる
- 文脈やニュアンスの共有に最適
3. Claude Code Skills (MCP):能力を拡張する「手」
一方、Claude Code (CLI) や MCP (Model Context Protocol) におけるスキルは、「行動の拡張」 です。
Claudeはデフォルトではインターネットの向こう側のデータベースを見たり、社内のSlackに投稿したりはできません。そこで、「このAPIを叩けばデータが取れるよ」「このコマンドでSlackに送れるよ」と道具(ツール) を渡すのがClaudeのスキルです。
実際のコード例
// weather-server.js (MCP Example)
{
name: "get_weather",
description: "指定した都市の天気を取得する",
inputSchema: {
type: "object",
properties: {
city: { type: "string" }
}
},
// 実際の処理
handler: async (args) => {
return await fetchWeatherApi(args.city);
}
}
Claude (MCP) の強み:
- 外部システム と直接対話できる
- 正確なデータ取得・計算・操作が可能
- 構造化されたデータ処理に強い
4. どちらを使うべき? → 両方使う
この2つは競合するものではなく、補完し合うもの です。
- Antigravity で「どう進めるか(How)」という 戦略 を教え、
- Claude (MCP) で「何を使うか(With What)」という 武器 を渡す。
オススメの使い分け
- 設計・計画フェーズ (Antigravity):
「社内の設計ドキュメントSkill」を読み込み、仕様書を作成。過去の事例やベストプラクティス(知識)に基づいて計画を立てる。 - 実装・実行フェーズ (Claude):
「Git操作Skill」や「Docker操作Skill」を使って、実際にコードを書き、テストを回し、コミットする(行動)。
まとめ:AIエンジニア育成のロードマップ
あなたがAIエージェントを「ただのチャットボット」から「チームの一員」に育てたいなら、以下の2ステップで育てましょう。
- Antigravity Skillsを作る: チームの「Wiki」や「手順書」を
SKILL.mdにして、思考回路を同期する。 - Claude MCPを作る: よく使う「社内ツール」や「DB」への接続口を作り、手足を増やす。
「脳」と「手」、両方を強化した時、AIは真のパートナーになります。
Next Action
- 自分のチームの「よくある手順」をMarkdownに書き出してみる(Antigravityの種)
- よく使うCLIコマンドやAPIをリストアップしてみる(Claude MCPの種)
それぞれのドキュメントはこちら: